2014年07月08日

化粧品業界の約半数「動物実験代替法の利用は考えていない」? アンケート結果公開で無用な動物実験の横行が明らかに!

7月4日「代替法ガイダンスに関するアンケート」の結果が、JaCVAM(動物実験代替法評価センター)のウェブサイト上で公開されました。
http://www.jacvam.jp/files/news/140704.pdf
化粧品企業の4割強が「代替法の利用は考えていない」、8割が「代替法で申請したことがない」と答えていることが明らかになりました。


無用な動物実験がいまも
動物実験に対する批判が高まって開発が進められてきた代替法(だいたいほう)。まだすべての試験項目について確立されてはいないものの、いくつかの試験は公的に認められ、日本でも「ガイダンス」という、いわゆる“代替法のマニュアル”が政府から出されてきました。
「それなら動物実験は減って、代替法による申請が増えているはず」と考えるのが当然ですが、アンケート結果をみると、なんと42%の企業が「代替法の利用は考えていない」と回答。

その内訳をみると「新規の申請は検討していない」という物理的な理由もあるものの、「技術習得が困難」「申請に通常より期間がかかりそう」「費用が高い」などという怠慢な理由がならんでいます。

そして、薬事申請に代替法を利用したことがあるかどうかについて「ある」と答えたのはたったの19%。81%は代替法をスルーしている。

目の前に、使える代替法があるのに、それを使わないで、動物実験してるってこと!?

動物実験を続けるメーカーは「代替法がないから動物実験は必要最小限にとどめています」などともっともらしい言い訳をしていますが、必要最小限どころか、裏では無用な動物実験を行っているなんて!


情報をひた隠しにする業界団体
別のところに目を向けます。このアンケート調査結果、実施期間、母集団(アンケートを送った企業)の数、回収率、サンプル数(回答のあった企業の数)といった必要な条件が何も示されていないのです。つまり、たとえば42%という数値が、いったい何社を示すのかが分からない。あまりに杜撰(ずさん)としか言いようがありません。

実は、この調査は昨年末から今年1月にかけて行われたもので、もっと早く公開されるはずだったが業界団体が公開を渋ったために遅れた、ということが関係者の話から分かっています。公開まで半年も要したのにデータがこんなにお粗末なのは、業界団体の圧力によるものなのでしょうか。だとしたら、公開を渋り、サンプル数など必要な情報を隠し続けるのは、無用な動物実験が平然と行われている実態をひた隠しにしたいから――化粧品業界団体の本音が見てとれます。42%とはいったい何社なのか、81%にはいったいどの企業が含まれているのか、化粧品ユーザーが知りたいのはそこなのに。

その業界団体とはこちら。
日本化粧品工業連合会(粧工連)
http://www.jcia.org/n/

粧工連の会長は、なんと、昨年動物実験廃止に踏み切った資生堂の代表取締役会長なんですね。
自社だけでなく業界団体のなかでも、動物実験廃止に向けてリーダーシップをぜひ発揮していただきたいものです。


ガイダンスだけでは動物実験は減らない
そして、この貧しい結果からせめてわかることは、いくら政府が、開発された代替法を評価し、公的に認め、そのマニュアルを作って、「代替法を使ってね」と企業に促しても、動物実験の削減や廃止にはつながっていない、ということです。
企業に「動物の犠牲を減らそう」という自発的な「倫理」が働かないのであれば、国として動物実験をやるなと規制していくべきではないでしょうか。
JAVAは以前から、

「動物実験代替法が確立するまでの間、医薬部外品(薬用化粧品)の承認申請および化粧品基準の改正要請の受理に際して、動物実験による試験結果を受け入れないこと」

を厚生労働省に対して訴えてきました。
多くの時間と労力を要する立法や法改正という方法に訴える前に、動物実験の結果を受け入れないことで、事実上の禁止状態を作ることはできるはずです。
少なくとも、代替法が確立したもの(=ガイダンスが出ているもの)については動物実験を受け付けないという対応はすぐにでもできるはずです。

ぜひ、あなたも声を届けてください。

厚生労働省 国民の声
http://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/sanka/koe_boshu/

厚生労働省 医薬食品局審査管理課
(以下のページに連絡先の掲載があります)
http://bit.ly/1n2VgBj



代替法ガイダンスについてはこちらもご参照を(ページ最下部)。
http://www.usagi-o-sukue.org/know2.html


posted by 化粧品プロジェクトスタッフ at 17:38 | TrackBack(0) | 代替法

2012年03月27日

眼刺激性試験(ドレイズテスト)の代替法が事業化―試験受託機関が4月から


ウサギが片方の目に試験物質を直接点眼され、数日間激痛にさらされた挙句、最後には殺されてしまう――これが、眼刺激性試験の実態です。
この眼刺激性試験の代替法として、この4月から試験受託機関「化合物安全性研究所」によってウシの角膜を用いた試験法(BCOP法)の受託がスタートするというニュースが流れました。


【化合物安全性研究所】動物実験代替法を事業化‐4月から受託スタート
http://www.yakuji.co.jp/entry25909.html
(2012年3月22日付薬事日報)

 安全性試験受託機関の化合物安全性研究所は、4月からウシ摘出角膜を用いた眼刺激性試験代替法(BCOP)の受託を開始する。ウサギを用いた試験の代替法として確立されたもので、同社は世界的に加速する動物実験廃止の流れを捉え、日本で先駆けて代替法の事業化に踏み切ることになった。
 同社は、動物実験を実施した化粧品の販売を禁止する欧州化粧品指令の2013年施行を視野に、国の要請を受ける形で、約1年にわたって眼刺激性試験代替法の準備と検討を行ってきた。眼への急性刺激性・腐食性があるかどうかを評価するため、ウサギを用いて実施される眼刺激性試験は、試験物質を眼に直接投与することや、点眼に伴う苦痛が避けられないことから、動物愛護の観点から問題視されてきた。また、既に欧州では、化粧品の安全性試験として受け入れられない試験法とされ、代替法の導入が急がれていた。
 こうした中、同社が確立したBCOP法は、ウシの眼球の角膜を用い、試験物質の腐食性・強度刺激性があるかどうかを評価するインビトロ試験。食用ウシの加工時に試験材料が得られ、動物を使用しないことから、動物数の削減と苦痛軽減の観点から有用な試験法と考えられている。
 これまでの検討では、ウサギを用いた眼刺激性試験の評価と比べて、信頼性の高い検出データが得られたため、今回BCOP法の事業化をスタートさせることにした。

※2012年3月26日付日経産業新聞にも関連記事が掲載されています。


BCOP法は、眼の腐食性や強刺激性を評価する方法のため、弱刺激をみる化粧品(薬用化粧品を含む)は対象にはならないのかな、と思っていたのですが、「角膜の光透過性(混濁具合)で強刺激を評価したあと、病理組織検査を行うことで弱刺激を評価するか、別に細胞毒性試験を組み合わせることで、化粧品の評価も可能」なのだそうです。

同社の松浦社長いわく「人間に使えるかどうかわからない物質をふるい分けする段階で動物を使うことは回避したい。医薬品や化学物質、農薬などの新規化合物のスクリーニング方法としてもぜひ利用してもらいたい」。
化粧品業界だけでなく、製薬業界や化学品業界においても代替法活用の需要が高まることが期待されています。

*****

代替法といっても、使われるのはウシの角膜。
食用にされるウシの副産物とはいえ、そこにも尊い犠牲があることには変わりありません。
でも、本来産業廃棄物として焼却処分されてしまうものを用いることで、新たな実験動物の犠牲を生まないという点では、前進ととらえてよいのではないでしょうか。
しかし私たちは、最終的に、動物の一切を用いない試験方法への転換がなされることに期待しています。


posted by 化粧品プロジェクトスタッフ at 22:23 | TrackBack(0) | 代替法