2012年03月27日

眼刺激性試験(ドレイズテスト)の代替法が事業化―試験受託機関が4月から


ウサギが片方の目に試験物質を直接点眼され、数日間激痛にさらされた挙句、最後には殺されてしまう――これが、眼刺激性試験の実態です。
この眼刺激性試験の代替法として、この4月から試験受託機関「化合物安全性研究所」によってウシの角膜を用いた試験法(BCOP法)の受託がスタートするというニュースが流れました。


【化合物安全性研究所】動物実験代替法を事業化‐4月から受託スタート
http://www.yakuji.co.jp/entry25909.html
(2012年3月22日付薬事日報)

 安全性試験受託機関の化合物安全性研究所は、4月からウシ摘出角膜を用いた眼刺激性試験代替法(BCOP)の受託を開始する。ウサギを用いた試験の代替法として確立されたもので、同社は世界的に加速する動物実験廃止の流れを捉え、日本で先駆けて代替法の事業化に踏み切ることになった。
 同社は、動物実験を実施した化粧品の販売を禁止する欧州化粧品指令の2013年施行を視野に、国の要請を受ける形で、約1年にわたって眼刺激性試験代替法の準備と検討を行ってきた。眼への急性刺激性・腐食性があるかどうかを評価するため、ウサギを用いて実施される眼刺激性試験は、試験物質を眼に直接投与することや、点眼に伴う苦痛が避けられないことから、動物愛護の観点から問題視されてきた。また、既に欧州では、化粧品の安全性試験として受け入れられない試験法とされ、代替法の導入が急がれていた。
 こうした中、同社が確立したBCOP法は、ウシの眼球の角膜を用い、試験物質の腐食性・強度刺激性があるかどうかを評価するインビトロ試験。食用ウシの加工時に試験材料が得られ、動物を使用しないことから、動物数の削減と苦痛軽減の観点から有用な試験法と考えられている。
 これまでの検討では、ウサギを用いた眼刺激性試験の評価と比べて、信頼性の高い検出データが得られたため、今回BCOP法の事業化をスタートさせることにした。

※2012年3月26日付日経産業新聞にも関連記事が掲載されています。


BCOP法は、眼の腐食性や強刺激性を評価する方法のため、弱刺激をみる化粧品(薬用化粧品を含む)は対象にはならないのかな、と思っていたのですが、「角膜の光透過性(混濁具合)で強刺激を評価したあと、病理組織検査を行うことで弱刺激を評価するか、別に細胞毒性試験を組み合わせることで、化粧品の評価も可能」なのだそうです。

同社の松浦社長いわく「人間に使えるかどうかわからない物質をふるい分けする段階で動物を使うことは回避したい。医薬品や化学物質、農薬などの新規化合物のスクリーニング方法としてもぜひ利用してもらいたい」。
化粧品業界だけでなく、製薬業界や化学品業界においても代替法活用の需要が高まることが期待されています。

*****

代替法といっても、使われるのはウシの角膜。
食用にされるウシの副産物とはいえ、そこにも尊い犠牲があることには変わりありません。
でも、本来産業廃棄物として焼却処分されてしまうものを用いることで、新たな実験動物の犠牲を生まないという点では、前進ととらえてよいのではないでしょうか。
しかし私たちは、最終的に、動物の一切を用いない試験方法への転換がなされることに期待しています。


posted by 化粧品プロジェクトスタッフ at 22:23 | TrackBack(0) | 代替法
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